日本語が話せなくても病院へ:外国人のための受診と国保の使い方 — TokyoHelp日本語が話せなくても病院へ:外国人のための受診と国保の使い方
日本語が苦手でも病院は受診できます。クリニックと総合病院の選び方、持ち物、受付から薬局までの流れ、保険で約3割負担、英語・中国語対応の病院の探し方、緊急時の対応をまとめました。
8分で読めます公式情報と照合: 2026-06-16
日本の医療は、国によっては馴染みのある「まず家庭医に紹介状をもらってから専門医へ」という仕組みとは違い、多くの場合は必要なクリニックや診療科に直接かかれます。その分、誰かが振り分けてくれるわけではないので、「どこへ行き、何科にかかるか」は自分で判断することになります。言葉の壁も重なって受診をためらう人は少なくありません。この記事では、場所選び・持ち物から、受付→問診票→診察→会計→薬局という流れ、英語・中国語が通じる病院の探し方、緊急時にかける番号まで、ひと通り説明します。
重要:本記事は一般的な生活情報であり、医療アドバイスではありません。医師の診断に代わるものでもありません。具体的な症状・薬・受診の要否は専門家の指示に従ってください。生命に関わる緊急時(激しい胸痛、呼吸困難、意識障害、大量出血、脳卒中・心筋梗塞の疑いなど)は、ためらわず 119 に電話して救急車を呼んでください。
ステップ1:行き先を選ぶ — クリニックか総合病院か
医療機関は大きく2種類。選び方で時間も費用も変わります。
- クリニック / 医院:街中にある小規模な医療機関。風邪・発熱、胃腸の不調、皮膚、アレルギー、慢性疾患の再診など日常的な不調向け。多くは予約なし(または当日電話予約)で、待ち時間も費用も少なめ。まずはここから。
- 総合病院 / 大病院:診療科が揃い、入院や手術にも対応。重症や専門的な検査・入院が必要なとき向け。紹介状なしで大病院を初診受診すると、追加で「選定療養費」(初診で7,000円以上のことが多い)がかかり、待ち時間も長くなりがち。まずクリニックを受診し、必要なら紹介状をもらって受診するのが基本です。
- 症状に合う科を選ぶ:内科(発熱・風邪・体の不調)、外科、整形外科(骨・関節・捻挫)、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科(花粉症含む)、産婦人科、小児科、歯科、心療内科・精神科。迷ったら「内科」か、下記の電話相談へ。
受診当日:受付から薬局までの流れ
- 1受付で手続き。初めての受診は「初診」です。医療保険の確認書類(マイナ保険証、資格確認書、または有効期限内の健康保険証)と在留カードを出し、どこが悪いかを伝えます。
- 2問診票を記入。症状・アレルギー・既往歴・服用中の薬などをチェックする用紙です。英語・中国語版がある所も多いので「英語の問診票はありますか?」と聞いてみましょう。
- 3待合で待ち、名前を呼ばれたら診察室へ。医師が問診・診察し、検査や処方を行うことがあります。
- 4受付で会計。保険があれば通常は総額の約3割の支払いです(下記参照)。
- 5処方箋を受け取る。クリニックでは薬を直接出さず、処方箋を渡されることが多く、外部の「調剤薬局/保険薬局」で薬を受け取り別途支払います。処方箋には有効期限(通常は交付日を含めて4日以内)があるので早めに。
- 6薬局では薬剤師から質問があることがあり、「お薬手帳」を渡されます。次回以降の受診・調剤時に持参を。
ヒント:多くのクリニックは昼休み(例:12:30〜15:00)や水曜・日曜が休診で、「初診受付」は表示の診療時間より早く終わります。行く前に診療時間を確認し、予約の要否を電話やサイトで確かめると安心です。
持ち物
- ▢医療保険の確認書類(マイナ保険証、資格確認書、または有効期限内の健康保険証)— 無いとその日は全額負担になり、後で払い戻し手続きが必要になることも
- ▢在留カード(本人確認)
- ▢現金または使える支払い手段(小規模クリニックは現金のみのことも)
- ▢お薬手帳/服用中の薬(または写真)
- ▢母子健康手帳(妊娠中・お子さんの受診時)
- ▢症状を書いたメモや訳した単語(下記「使える日本語」参照)
費用:保険があれば自己負担は約3割
公的医療保険(国民健康保険または勤務先の健康保険)に加入していれば、通常の受診では医療費の一部だけを負担します。6歳(就学)〜69歳は原則3割、残りは保険が負担。未就学児は2割、70歳以上は1〜2割(現役並み所得は3割)です。つまり実際の医療費が5,000円なら、支払いは約1,500円。薬代は薬局で別途、同じ負担割合でかかります。無保険だと10割負担で、自由診療では価格がさらに高いこともあるため、保険への加入は重要です。
入院や手術などで自己負担が高額になる場合は「高額療養費」制度を確認しましょう。月の上限を超えた分は払い戻しの対象になり、事前に「限度額適用認定証」を申請すれば窓口での支払いを上限までに抑えられます。詳細はお住まいの市区町村・保険者の公式案内をご確認ください。
英語・中国語が通じる病院の探し方
日本語が話せなくても受診はできます。東京には、地域や診療科に合わせて外国語対応の医療機関を案内し、制度も説明してくれる多言語の相談電話があります。電話前に、お住まいの区・どこが不調か・受けたい科を整理しておきましょう。
- 東京都「外国人患者向け医療情報サービス」(AMDAが運営):03-5285-8181、毎日9:00〜20:00(年中無休)、英語・中国語・韓国語・タイ語・スペイン語に対応。外国語で受診できる医療機関の案内や医療制度の説明をしてくれます。
- AMDA国際医療情報センター:03-6233-9266(フリーダイヤル0120-339-266)、平日10:00〜16:00。中国語・英語・韓国語・スペイン語・タイ語・ポルトガル語・フィリピン語・ベトナム語などに対応し、無料の遠隔医療通訳(電話・WEB)も提供。
- 厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」:全国の医療機関・薬局を検索できるサイト。外国語対応・診療科目・地域などで絞り込め、英語・中国語の画面もあります。近くの外国語対応クリニックを自分で探すのに便利。
緊急時の対応:119 と #7119
「緊急」か「迷っている」かを見極め、正しい番号を使いましょう。
- 119(救急車・消防):生命に関わる/重症のときに電話し、救急車を呼びます(無料)。つながったら「救急です」と言い、住所と症状を伝えます。救急車自体の費用はかかりません。日本語が話せなくても、できるだけ場所を明確に伝え、必要なら日本語が話せる人に手伝ってもらいましょう。
- #7119(東京消防庁救急相談センター):「救急車を呼ぶべきか」「今すぐ受診すべきか」迷ったときに。医師・看護師が24時間年中無休で助言し、医療機関を案内します。携帯・プッシュ回線から#7119。つながらない場合、23区は03-3212-2323、多摩地区は042-521-2323。
- 夜間・休日の急な不調(生命に関わらない場合):上記の相談電話か、医療情報ネットでその日の「休日夜間診療」を探しましょう。
再度:心筋梗塞・脳卒中の疑い、重い呼吸困難、意識障害、大きな外傷や大量出血などの場合は、迷わず、無理に自分で運転せず、すぐ119へ。容体の判断は医療の専門家に任せてください。本記事は流れの情報にすぎません。
使える日本語:病院で役立つフレーズ
- 受付:「初めてです / 初診です」「保険証です」
- どこが痛いか:「ここが痛いです」+ 指さし、「熱があります」「咳が出ます」「気持ち悪いです」「めまいがします」
- 言語の手助け:「英語(中国語)が話せる人はいますか?」「英語の問診票はありますか?」
- アレルギー・薬:「薬のアレルギーがあります」「この薬を飲んでいます」+ 薬の箱やお薬手帳を提示
- 薬局:「処方箋をください」「近くの薬局はどこですか?」
受診時の日本語をしっかり準備したい方は病院日本語フレーズ集を、まだ国保に入っていない・3割負担の制度の背景を知りたい方は国保ガイドをご覧ください。
よくある質問
- 日本語が全く話せなくても、一人でクリニックに行けますか?
- 行けますが、まず東京都の外国人向け相談電話(03-5285-8181)やAMDA(03-6233-9266)に電話して外国語対応のクリニックを紹介してもらうとスムーズです。受付で英語・中国語の問診票があるか尋ね、必要なら翻訳アプリや日本語が話せる友人・隣人に通訳を頼みましょう。AMDAは無料の遠隔医療通訳も提供しています。
- 保険の確認書類を持って行かないとどうなりますか?
- その日は10割を全額負担し、後日、領収書をもとに一定期間内に保険者へ差額の払い戻しを申請することになり、手間がかかります。医療保険の確認書類(マイナ保険証・資格確認書、または有効期限内の健康保険証)は携帯しましょう。
- 予約は必要?直接行ってもいい?
- 街のクリニックは予約なし(または当日電話予約)で受診できる所も多いですが、昼は休診で初診受付が早く終わることがあります。歯科・皮膚科・産婦人科などの人気の科や大病院は予約が必要なことが多いです。診療時間を確認するか電話してから行くと確実です。
- なぜクリニックで薬をくれず、薬局に行くの?
- 日本では「医薬分業」が一般的で、医師が処方箋を発行し、外部の保険薬局で薬を受け取って別途支払います。処方箋には有効期限(通常は交付日を含めて4日以内)があるので早めに行きましょう。
- 歯医者も同じ流れですか?
- はい。歯科も健康保険で同じ負担割合、流れも同様です。ただしホワイトニングや一部の矯正、特定の入れ歯の素材などは自由診療で保険適用外となり全額負担になります。事前に確認しましょう。
情報提供であり、助言ではありません
本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、法律・行政・税務などの個別の専門的助言ではなく、代行サービスでもありません。制度や手続きは変更されることがあります。必ず公式の窓口・ウェブサイトの最新情報をご確認ください。個別の状況については、有資格の専門家にご相談いただくか、担当の役所に直接お問い合わせください。
本記事は一般的な情報であり、医療上の助言ではなく、医師や薬剤師に代わるものではありません。緊急時は119に電話してください。