東京で初めて部屋を借りるときは、戸惑うことが多いかもしれません。初期費用は思ったより高く、契約書は日本語で、母国にはない慣習もあります。でも安心してください。これは多くの人がたどってきた道で、外国人の入居に慣れた不動産会社もたくさんあります。仕組みを一つずつ理解すれば、十分に対応できます。本記事はあくまで一般的な案内であり、法律や仲介の助言ではありません。ご自身の契約書は必ず読み、状況に応じた具体的なことは不動産会社に確認してください。
よくある初期費用
東京エリアでは、契約時に必要な合計額として、家賃の約4〜7か月分を見込んでおくと安心です(最初の1か月分だけではありません)。内訳は物件によって大きく変わるので、以下は『固定のルール』ではなく『よくある目安』として捉えてください。
- 敷金(しききん)——家賃の1〜2か月分が多い。退去時に返金されますが、清掃費や損傷分は差し引かれます。
- 礼金(れいきん)——家賃の0〜2か月分が多い。大家さんへの『お礼』で、返金されません。『礼金なし』の物件もあり、入居費用を抑えられます。
- 仲介手数料——おおむね家賃1か月分までが一般的で、契約をまとめた不動産会社に支払います。
- 保証会社の費用——個人の連帯保証人の代わりに(または加えて)、家賃保証会社の利用を求める大家さんが多くいます。初回費用は家賃の半月〜1か月分程度が多く、少額の年間更新料がかかることもあります。
- 最初の1か月分の家賃に加え、管理費・共益費、火災保険、多くの場合は鍵交換費用。月の途中に入居する場合、初月の家賃は実際に住む日数分の日割り(ひわり)になるのが一般的です。
礼金は返金されません——敷金とは違い、大家さんへの謝礼として扱われ、戻ってくることはありません。契約前に、入居時の見積もりと退去・清掃の条件を、不動産会社に一項目ずつ説明してもらい、契約書(または翻訳)をよく読みましょう。国土交通省は、標準の賃貸借契約書や『重要事項説明書』を14言語で公開しています(下記リンク)。
審査でよく求められること
契約前に、大家さんと保証会社が審査を行います。多言語対応の不動産会社が準備を手伝ってくれますが、よく求められるものを知っておくと安心です。
- 日本の銀行口座——家賃は毎月の口座振替で集金されることが多いため、口座を求める大家さんがほとんどです(口座開設までは、不動産会社の案内で振込や現金払いになることもあります)。
- 印鑑(いんかん)が必要なこともあり、契約には区役所発行の印鑑証明書を求められる場合も。署名だけで足りるかは不動産会社に確認しましょう。
- 日本に住んでいて、実際に電話に出てくれる緊急連絡先(きんきゅうれんらくさき)。保証会社を使う場合でも、緊急連絡先は通常求められ、審査の際に会社からその人へ電話がかかることもあります。連絡のつく人を選び、あらかじめ伝えておきましょう。
一般的な流れ
- 1予算とエリアを決める。月々の家賃だけでなく、入居時の総額を意識しましょう。多言語対応の不動産会社だと、やり取りがぐっと楽になります。
- 2物件情報を見て、不動産会社と一緒に候補をいくつか絞る。
- 3内見に行く——実際の部屋を見て、水圧・スマホの電波・騒音・通勤経路を確認。
- 4入居申込を提出し、必要事項を記入。通常、ここで大家さんと保証会社の審査が始まります。
- 5審査に通る。保証会社と大家さんが、収入・在留資格・連絡先などを確認します。
- 6契約を結び、初期費用を支払う。契約前には『重要事項説明』があります——遠慮なく質問しましょう。
- 7鍵を受け取り、電気・ガス・水道、インターネット、引っ越しの手配を(区役所での住民登録もお忘れなく)。
見込んでおきたい継続・退去時の費用
- 更新料:東京や周辺の関東エリアでは、契約更新のときに更新料——多くは家賃1か月分ほど——を求める賃貸が多く、おおむね2年ごとにかかります。契約前に、ご自身の契約に更新料があるか確認しましょう。
- 短期解約違約金:契約(特に『礼金なし』の物件)によっては、最初の1〜2年以内に退去すると追加で——多くは家賃1〜2か月分ほど——かかる短期解約の条項があります。長く住むか分からない場合は、この条項をよく読みましょう。
- 退去の予告:退去の前に、大家さんへ事前通知(多くは1〜2か月前)が必要なのが一般的です。何か月前かは契約書で確認を。
外国人に役立つコツ
- 多言語対応や『外国人歓迎』をうたう不動産会社を探しましょう。保証人や審査の手続きに慣れています。
- 今は保証会社を使う大家さんが多く、日本人に連帯保証人を頼まなくて済むことがほとんどです。外国人向けに特化した保証会社もあります。
- 『礼金なし』や『初期費用を抑えた』物件で絞り込むと、入居時の負担を大きく減らせます。
- UR賃貸住宅(都市再生機構)は公的な選択肢で、一般に礼金・仲介手数料・保証人が不要です。ただし収入の基準(家賃が低めの住戸では月収が家賃のおよそ4倍など)があり、入居時に敷金と最初の1か月分が必要です。一度調べてみる価値があります。
- 在留カード、日本の電話番号、収入を証明できる書類を用意しておくと、審査がスムーズに進みます。
- 退去時の条件も確認を。敷金の返還、清掃費の差し引き、解約の事前通知が何か月前必要か(多くは1〜2か月前)。
- 見積もりの中の任意の追加費用に目を通しましょう——たとえば『消毒』・抗菌費や、有料の24時間サポートなど。これらは断れたり交渉できたりすることがあるので、どの項目が本当に必須かを不動産会社に尋ねてみましょう。
- 口頭での約束は書面に。費用を免除する、ペットを飼ってよい、と言われたら、契約書に書いてもらいましょう——拘束力があるのは書面の契約だけです。
- 契約書を読む前に求められる申込金(預り金)には慎重に。契約しないと決めた場合に返���されるか、書面で確認しましょう。支払いを強く迫る不動産会社なら、理由を尋ねる、または別の会社を探すのも妥当です。
退去時のトラブルは、敷金のうちどれだけが『原状回復』として差し引かれるかをめぐることが最も多いです。国土交通省(MLIT)の原状回復ガイドラインでは、ふつうに暮らしてできる通常損耗や経年劣化は一般に大家さんの負担とされ、入居者の不注意による損傷はそうではありません。これは一般的な案内であり、法律の助言ではありません——正確な条件は契約書で確認し、話がまとまらない場合は、消費者ホットライン188に電話すれば、お近くの消費生活センターから無料・中立の相談を受けられます。
- 入居にはいくら必要ですか?
- 目安として、国土交通省は契約時に必要な費用の合計を家賃の約4〜7か月分で見込むことをすすめています——敷金、礼金、仲介手数料、保証会社の費用、保険、最初の1か月分の家賃、その他です。実際の総額は物件次第なので、必ず不動産会社に内訳つきの見積もりをもらいましょう。
- 保証人は本当に必要ですか?
- 民間の賃貸では、個人の保証人か、今ではより一般的な家賃保証会社のどちらかが必要なことがほとんどです。多くの保証会社は外国人にも対応しており、流ちょうな日本語は求められません。申し込みは通常、不動産会社が手続きの中で案内してくれます。
- 礼金は返ってきますか?
- いいえ。礼金は返金されません——大家さんへの一度きりの費用と考えてください。敷金は違い、退去時に清掃費や損傷分を差し引いて返金されます。正確な条件は必ず契約書で確認してください。
- 更新料は払う必要がありますか?
- 東京・関東エリアでは必要なことが多いです。多くの契約には、更新時に家賃1か月分ほどの更新料が、おおむね2年ごとにかかります。かからない物件もあります。あとで驚かないよう、契約前に確認しましょう。
- 退去時、通常損耗の分まで払うのですか?
- 一般的には払いません。国土交通省の原状回復ガイドラインでは、通常損耗や経年劣化は大家さんの負担、入居者が起こした損傷は入居者の負担とされています。これは案内であり法律の助言ではありません——契約書を確認し、敷金で揉めた場合は消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターに相談できます。
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